2009年11月11日

人生生涯小僧のこころ 塩沼亮潤

◆人生生涯小僧のこころ



◆今日より明日、明日より明日後!



和田裕美さんの話しを聞いている時に、自分の著作を横に置いて、
和田さんが熱く語り出したのが、この「人生生涯小僧のこころ」である。

そこまでさせる、何かが、真実を淡々と語るこの本に宿っている。
軽々に「すごい」と語ることができない、深い物語の海が広がっていた。


「人生生涯小僧のこころ」とは、
千日満行を前にした999日目の夜、自らがしたためた言葉である。


読んだあと、思わず、塩沼さんに、直接会ってみたいと、強く思った。
吉野金峰山寺1300年の歴史で、2人目となる大阿闍梨さんに。


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4884748034人生生涯小僧のこころ―大峯千日回峰行者が超人的修行の末につかんだ世界
致知出版社 2008-03

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片道二十四キロ、高低差千三百メートル以上の山道を十六時間かけて一日で往復。
九年の歳月をかけて四万八千キロを歩く。
そういう苦行を経験したから、悟れるのではない。
大事なのは、行から得たものを生活の中でよく実践することである。
逆に言えば、それぞれに与えられた場でそれぞれに与えられた役目を果たしていく中でも、多くのことを感じ、悟ることができる。
だから、私たちの人生はすべて修行なのである。


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◆新刊JP編集部より


この書評を書くために本書を開いた。
その瞬間から、私は著者の紡ぎだす言葉にどんどん手繰り寄せられていった。
そして一度も本から手を離すことなく、一気に読みきってしまった。
そして、一言。「すごい」。
本書を表現するには、この一言に尽きる。

本書は僧侶である塩沼亮潤氏の自伝であり、そして「千日回峰行」という荒行の体験記である。僧が行う「荒行」というのは、我々俗世に生きる身からすればなかなかその内容を知る由もない。
しかし本書に書かれていた「千日回峰行」という荒行、想像を遥かに絶するものがある。
著者が行った「大峯千日回峰行」とは、奈良県・大峯山の頂上にある大峯山上本堂までの往復48キロの山道を1000日間、1日も休まず歩き続けるという行である。

ただ、1000日間連続というわけではなく、山を歩く期間は5月3日から9月22日までであるため、千日回峰行が終わるまで約9年かかる。とはいえ、高低差1300メートルの山道を1日で上り下りする日々を約3ヶ月半もの間、それを9年続けるというから凄まじい。
また、いったん行に入ったならば、決して途中で止めることができないという掟があり、行者は常に短刀と紐を携帯している。
そして、もし途中で止める場合は短刀で腹を掻き切るか、紐で首をくくり、命を絶たなければならない。そのため、紐は「死出紐」という。

この苦行をやり遂げた塩沼氏であるが、本書のなかでこの行の最中、何度も死にかけたことを告白する。そして、死の淵に立たされながらもそれを乗り越え、心を磨いていく。
本書にはところどころで当時、塩沼氏が書いていた日記が引用されているが、その日記からも次第に悟りを開いていく様子が窺うことができる。

本書の中で、著者はどんどん成長し、私たち読者を置き去りにしていく。
しかし、塩沼氏は決して私たちの視線を忘れない。そして、心優しく語り掛けてくれる。


「苦行を経験したから悟れるものではない。大事なのは、行で得たものを生活の中で実践することである。それぞれに与えられた立場でそれぞれに与えられた役目を果たしていく中でも、多くのことを感じ、悟ることができる」、と。



◆気付きメモ



あえて、感想は書きません。 ご自身での一読をオススメします。





◆目次メモ


* 長い旅のはじまり
* ひたすらに歩いた日々
* 縁に導かれて

* 第一章 千日回峰行とはどういうものか
o 大峯千日回峰行の歴史
o 回峰行のスケジュール
o 何ゆえに行ずるのか
* 第二章 私を行に向かわせたもの
o 奇蹟と難産の末にこの世に生を
o 貧しい家に生まれて
o 厳しかった母の躾
o 何もない豊かさ
o 旅立ちの朝
* 第三章 千日回峰行までの道のり
o 悩み涙した小僧時代
o 行を終えたら行を捨てよ
o 百日回峰行に入行
o 難所を行く
o 痛みに耐え続けた百日間
o 自分のことはすべて自分で
o 歩き方を学ぶ
* 第四章 心を磨く千日回峰行
o 覚悟の出発
o ●行日誌@ 千日回峰行・序盤
o 限界と隣り合わせの日々
o 生きるか死ぬかの正念場
o 大自然と向き合って
o ●行日誌A 千日回峰行・中盤
o 野生動物と遭遇
o 小さき命を救う
o 不思議な出来事
o ●行日誌B 千日回峰行・後半
o 土砂降りの中の法悦
o 今日より明日、明日より明後日
o 謙虚、素直、謙虚、素直
o 何のための行なのか
o 満行を迎えて
o ●行日誌C 千日回峰行・終盤
* 第五章 いつも次なる目標に向かって
o 新たな目標、四無行に向けて
o 四無行に入行する
o 断水の苦しみ
o 思わぬ出来事
o あえて苦しみの胸元へ
o 四無行、満行
o お師匠さんの心遣い
o 故郷へ帰る
* 第六章 流れの中で ありのままに
o 最後に残った難関
o 人と人、心と心
o 今が一番幸せ
o 大自然のルールに沿って生きる
* エピローグ 人生生涯小僧のこころ
o 原点に返る
o 生きていく上で一番大切なもの
o 心を込めて日々を生きる
o 自然律に気づく



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◆著者の履歴 塩沼亮潤[シオヌマリョウジュン]


昭和43年仙台市生まれ。62年東北高校卒業。

63年吉野山金峯山寺で出家得度。平成3年大峯百日回峰行満行。
11年吉野・金峰山寺1300年の歴史で2人目となる大峯千日回峰行満行を果たす。
12年四無行満行。18年八千枚大護摩供満行。

現在、仙台市秋保・慈眼寺住職。大峯千日回峰行大行満大阿闍梨。


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posted by かっちゃん2.0@名古屋 at 05:00| 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 人生論・教訓 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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