2010年06月21日

【書評】仏教と脳科学 アルボムッレ・スマナサーラ 有田秀穂

◆仏教と脳科学


◆心の世界、やっと科学者の研究対象に!


20年前、「心の世界」は科学の研究対象とは成り得なかった。
世界中で「心の世界」は理科系ではなく文科系の学問であった。

文科系では、文学、哲学、宗教学、心理学、などで扱われる。

「心の世界」は文字や言語で表現され、理解されるものであり、
古典文学をかみしめ、古典芸能を鑑賞し、感覚や感受性により、
人の心を、より深く理解してきた。

この方法が、古今東西、変わりなく続いてきたのである。

一方、科学では、言語よりも実証を重んじる。

実証のために、仮説を立て、実験を行い、再現性のあるデータを収集し、
過去のエビデンスと照合し、考察して、新しい知見が確定される。

このプロセスを繰り返すことにより、論理体系が構築されてゆく。

医学の世界も、この科学のアプローチがとられてきた。

しかしながら、「心の世界」は、この実証の俎上に乗らなかった。

なぜならば、エビデンスを得るための動物実験ができないからである。

「心の世界」は人間固有のものであり、人間を被験者とする必要がある。

それも、脳内の動きの実験データを、リアルに取らなければならない。

ところが、2000年以降、医学とその周辺技術が急激に発展し、なんと、
人の脳の中身の動きをリアルタイムに画像解析できるようになった。

これにより、「人の心の世界」が科学できるようになったのである!

例えば、うそをついたり、人をだます時、脳のどの部位が活発化するのか。
笑ったり、悲しんだりする時は、どの回路を伝って活性化するのか。

そういった事実が、徐々に判明してきている。

この事実の積み重ねにより、「人の心の世界」と「脳内の動き」の
相関性が明らかになってきた。貴重なデータである!


著者は、この背景のもと、座禅を科学的に解く研究を開始。

結果、心に関係する作業仮説として「心の三原色」説を唱えている。

◆心に影響を与える三つの主要な神経系があり、その三つの神経系が
 相互に影響し合って、あらゆる心の状態が説明できる(仮説)

 (1)ドーパミン神経
 (2)ノルアドレナリン神経
 (3)セロトニン神経


もう少し補足する。「心の三原色」説である。

(1)ドーパミン神経(赤い心)

 報酬(お金、地位、夢、成績など)で駆動され、意欲や快情動を
 発現させる。
 
(2)ノルアドレナリン神経(青の心)

 ストレスで駆動され、注意・集中や不快な情動(不安・緊張)を
 発生させる。

(3)セロトニン神経(緑の心)

 座禅やウォーキングなどで活性化され、ドーパミン神経(快)と
 ノルアドレナリン神経(不快)を抑制し、平常心を作りだす。
 

実際、座禅を行っている人のデータをとり、体系化を進めている。

例えば、
座禅の呼吸法を行うと、脳内に特別なα波が現れ、大脳皮質の活動が沈静化、
心理的には、緊張・不安、抑うつ、敵意などのネガティブな気分が改善、
元気な心が現れる。

また、前頭前野(人間で一番、進化・発達した脳部位)が活発化し、
意欲、集中力、直感力が上昇する。

このような変化が起こるのは、脳内のセロトニン神経の活性化に依る、
というエビデンスを得ることができたのである。


本書は、座禅に対して、脳の中の様子を科学してきた著者が、
その事実をさらに確認すべく、座禅・瞑想法を究めた長老との
対話集となっている。

体験的に「心の世界」に精通している長老と、
そこに科学のメスを入れたい著者が、対談。

「科学」の視点と「体験」の視点で交互に語られる真実の数々。

なかなか、面白いです! 長老の言葉に、目からウロコが落ちました!



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仏教と脳科学―うつ病治療・セロトニンから呼吸法・坐禅、瞑想・解脱まで
仏教と脳科学―うつ病治療・セロトニンから呼吸法・坐禅、瞑想・解脱までアルボムッレ・スマナサーラ 有田 秀穂 Alubomulle Sumanasara

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◆目次メモ


第1章 お釈迦さまが気づいていた世界
第2章 お釈迦さまの日常生活
第3章 コミュニケーションと共感脳
第4章 現代人の問題
第5章 生きることへの科学の目、仏教の目
第6章 瞑想と脳の機能


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◆著者の履歴 氏名(ふりがな)


アルボムッレ・スマナサーラ[アルボムッレスマナサーラ][Alubomulle Sumanasara]
スリランカ上座仏教(テーラワーダ仏教)長老。
1945年4月、スリランカ生まれ。一三歳で出家得度。
国立ケラニヤ大学で仏教哲学の教鞭をとる。
1980年に来日。駒澤大学大学院博士課程を経て、
現在は(宗)日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教の伝道と
瞑想指導に従事し、ブッダの根本の教えを説きつづけている。
朝日カルチャーセンター(東京)の講師を務めるほか、
NHK教育テレビ「こころの時代」などにも出演。

有田秀穂[アリタヒデホ]
東邦大学医学部統合生理学教授。1948年1月、東京都生まれ。
東京大学医学部卒。
東海大学医学部内科で臨床、筑波大学基礎医学系で脳神経の
基礎研究に従事。その間、ニューヨーク州立大学に留学。
セロトニン道場代表。


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posted by かっちゃん2.0@名古屋 at 06:00| 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 脳科学・脳トレ・脳本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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