2010年07月23日

MBAバリュエーション 森生明

◆本日の『人生を変える一冊!』(No.196/210)


MBAバリュエーション (日経BP実戦MBA)
MBAバリュエーション (日経BP実戦MBA)森生 明

おすすめ平均
stars資産とは何かをこの本を通して学びました。
stars会社のデスクに一冊
stars資本主義、企業価値、M&Aの骨格ここにあり
stars教科書らしくはないが、本質に迫る実践的で骨太な良書
starsM&Aに取り組んでいくために

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本書は会社の値段が決められる仕組みを解明しようというものである。

「投資活動の基本原理は意外に単純だ」と割りきり、核心部分だけをしっかり掴まえ、
後はひたすら現場感覚で常識的に考える。

そういうアプローチにより、ファイナンスやM&Aの世界が目鼻立ちすっきり見えてくる。

これが著者の考える実務の視点である。


昨今、タイトルに何がしかMBAと書かれた本は、ときとして西欧的なMBA教育のメリットの礼賛か、冷たく無味乾燥なファイナンス理論の本だと、先入観を持って考えられてしまうところがあるかもしれない。けれどもこの本では、精緻な企業価値評価理論を知るだけでなく、人々の信頼によって成り立つ資本市場を理解し、市場にかかわる人々の「息づかい」さえ感じることができる。

著者はハーバード・ロースクールに学び、投資銀行などの前線における経験を豊富に持つM&Aアドバイザー。全8章立てで、価値評価方法の本質を説明することを目標に、基礎編と実務応用編に分けて構成されている。第3 章までの基礎編では、「企業価値」およびそれを決める要因、価値の測り方など、MBA教育とその実践の場における、「経営のグローバル共通言語」を学ぶことができる。

応用編では、「株価算定とM&Aの実務」が焦点になり、会社の値決めの実際や、「価値創造」の仕掛けに関して、最新のトピックスが数多く収められている。単色刷りではあるが図表が多く、M&Aスキーム全体についての理解の助けになる。巻末では、用語索引が日英併記され、参考書としての使い勝手もよい。

本書は、単に理論を伝えようとする図書ではないし、練習問題がたくさん収められたテキストのたぐいでもない。むしろ、著者の「思い」が託された1冊である。ふとした行間で、現場を大事にする著者のメッセージに触れられるため、読んでいて楽しい。また、歴史的背景にまで言いおよぶ、著者の思いやりにあふれた筆遣いが印象的だ。

これからMBA教育を受ける機会を得ようとする人、あるいはすでに企業価値評価やM&Aの知識を持つ人におすすめできる。これからこの分野に携わる人にとっては、教科書として学べることが多いし、すでに「実戦」にかかわっている人も、著者と視点を共にして、はっとすることがあるはずだ。久々に出合えた、大事にしたい1冊である。(任 彰)




◆目次はコチラ

基礎編 道具の理解―経営のグローバル共通言語
 企業価値という共通語
 企業価値を決める要因
 会社の値段と企業価値の違い

実務応用編 株価算定とM&Aの実務
 会社の値決めの実際1‐市場による評価
 会社の値決めの実際2‐会社を買収する場合
 M&Aによる価値創造のしかけ
 M&A現場の実況中継 ―A社を買収せよ
 「良い」M&Aと会社経営


◆著者はコチラ

森生明(モリオアキラ)
1959年大阪府生まれ。1983年京都大学法学部卒。1986年ハーバード・ロースクール卒(法学修士)。日本興業銀行、米国投資銀行ゴールドマン・サックスにてM&A(企業買収)アドバイザー業務に従事。その後米国上場メーカーのアジア事業開発担当副社長、日系企業の経営企画・IR担当を経て1999年独立。現在は、上手国際法律事務所である西村総合法律事務所の経営顧問を始め、ベンチャー企業数社の経営顧問、M&Aアドバイスを担当。


◆パワーブロガーの『書評』はコチラ


>> 「MBAバリュエーション」|The企業年金BLOG

表紙に恥ずかしげも無くデカデカと掲げられたMBAの3文字をもって「なんだ、MBAブームに乗っかった便乗本か」と早合点してはいけない。中身はコーポレートファイナンス、とりわけ「企業価値の算定」に特化した高品質な入門書である。

コーポレートファイナンスを学び始める際に、いきなりブ厚い専門書から取り組むというのも一つの見識ではあるが、例えるなら仮免ドライバーがいきなりカーレースに挑むようなもので心許ない(汗)。そこで、「まずは家の周囲で地道に訓練しよう」とする堅実派におあつらえ向きなのが本書。全ページに目を通すのが億劫であっても、せめて基礎編(第1〜3章)だけは目を通すべし。特に以下の3点は目から鱗モノ。

 @企業価値をc/(r-g)という数式に置き換えるメリット
 A純資産(資本)と時価総額の違いを図示した図表3-4
 Bブランド(無形の営業資産)失墜が時価総額減少を引き起こす仕組みを
  図示した図表 3-5・3-6

──これらを抑えるだけでも、その後のコーポレートファイナンスへの理解が早まること必至。2001年の刊行だが古臭さを感じさせないのは、ひとえに骨組みがしっかりしているからである。
本書の根底にあるのは、配当割引モデルにしろ EBITDA倍率にしろ、これらはビジネスの共通言語であり、商売相手を説得するためのツールに過ぎないという事。「世の中数字だけで割り切れるものではない」と達観ぶるのは勝手だが、ことビジネスの世界においては、そうした振る舞いは、共通言語に則った円滑なコミュニケーションを図ろうとしない不誠実な行為なのだ。




◆最新の『書評サーチ』の結果一覧はコチラ

>> MBAバリュエーション|Googleブログ




◆出典

誰もが無理なく夢を引き寄せる365の法則(気づき)誰もが無理なく夢を引き寄せる365の法則(気づき)
水野俊哉

きこ書房 2009-12-22
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>> 誰もが無理なく夢を引き寄せる365の法則(気づき)



水野俊哉の日記


なんと、巻末のブックリスト全210冊の

リンク集を作成していただきました!

ご苦労様です。ありがとうございます。

全部読んだら人生変わります。



>> 全210冊公開 誰もが無理なく夢を引き寄せる365の法則



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◆本日のオススメ

196:MBAバリュエーション (日経BP実戦MBA) 森生明 日経BP社 2001-10-12



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posted by かっちゃん2.0@名古屋 at 04:00| 愛知 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 法則・トリセツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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