2012年09月16日

【書評】本気で障がい者雇用に取り組む!『美点凝視の経営』 渡邉幸義

◆美点凝視の経営


◆障がい者と健常者の違いは単なる個性の違い!


本書は、IT企業のアイエスエフネットグループ代表の
渡邉幸義氏の新刊です。

『日本でいちばん大切にしたい会社』http://blog.canpan.info/nihon/
の坂本光司先生とも共著を出版されています。

他の会社との違いは、障がい者の採用を積極的に行っていること。
従業員約2千人のうち、障がい者などの就労困難者が八百名以上。
今や、ニートや引きこもりをはじめとする二十大雇用にまで拡大。
さらに、誰一人リストラすることなく、業績を伸ばしています。

簡単にスゴイですね、の一言では言い表せないことを実現されて
います。その実態と著者の考え方を本書で紹介。

中でも、本書で紹介されている「一人一秒のプレゼント」に
感動しましたので、抜粋させて頂きます。

『一人一秒のプレゼント』奥村久美子

(前略)

 それは太田先生の前の学校でのお話です。
先生が担当されていたクラスに、脚の悪い男の子がいました。
名前は正博で、皆から「マサ」と呼ばれていました。
マサは右脚が不自由でした。でも明るい性格で、友だちと
グランドでサッカーをしたり、体育の授業にも参加する
がんばり屋でした。

 その学校にも運動会が近づいて、学級対抗リレーの練習に、
熱を入れ始めた頃、その問題は起こりました。

 ある日、太田先生が放課後、職員室に残っていると、
マサが入ってきました。
そして元気のない声で言うのです。
「ぼく、学級対抗リレーには出ません」
「どうしてなの?」
太田先生はマサの顔をのぞみ込みました。
「・・・・・」
マサは下を見てうなだれています。
「がんばり屋の君らしくないな。
 先生は、マサの走りは素晴らしいと思っているのよ。
 マサが一生懸命走っているのを見るとね、
 先生ももっともっとがんばらなきゃって思うんだ」

 マサは体を固くして、下を向いています。
そして、やっと重い口を開くと、
「ぼくが走ると負けるから。ぼくのせいでクラスが負けるの嫌だから」
そう言うと、肩を大きく振りながら、職員室を出て行きました。

 次の日、太田先生は、マサと仲の良い子に、
どうしてマサがそんなことを言い出したのか尋ねてみました。
すると、クラスの一部の子が、
「マサが居る限り一等にはなれっこない」
と話しているのを、偶然本人が聞いてしまったと言うのです。

 その日の学級会で、太田先生は、マサがリレーに出ないと
言っていることと、その理由を皆に話しました。
そして、こんなことも付け加えました。
「リレーは、みんなが力を一つに合わせて
 がんばる所が素晴らしいんだよ。
 大切な友達を傷つけながら優勝したって何がうれしい?
 どこが素晴らしい?」

 マサは机をバン!とたたくと立ち上がりました。
「先生、もういいんです。ぼくがちゃんと走れないのが悪いんだから」

 みんな下を向いて、沈黙が続きました。
すると、ある男の子が手を挙げました。
「マサ、走れよ。クラスみんなが、一人一秒速く走れば、
 三十八人で三十八秒速く走れる。そしたら勝てるよ」

 その日から、子ども達は毎日遅くまで、
それは熱心にバトンタッチや、走る練習を重ねました。
マサも練習に参加していたことは言うまでもありません。

 そして、いよいよ運動会の日、マサはみんなの応援の中、
歯を喰いしばって、最後まで走り抜きました。
そして、クラスメートも、マサへのプレゼントの一秒のために、
全力を尽くして走り抜きました。他のクラスはバトンを落としたり、
転倒する子もあって、マサのクラスは本当に一等賞になったのです。

 太田先生は、みんなと「バンザーイ」と叫びながら、
涙の向こうの子供らの笑顔が、まぶしくてしかたありませんでした。
(後略)

「ありがとうを伝えたい 第2集」芸術生活社より

これは実話で、著者が講演をされる時は必ず、
この「一人一秒のプレゼント」を朗読されるそうです。

この後、著者はこんな言葉でしめくくられています。

本当は誰もが人のために何かをしたいのです。
やっぱり、みんな人のために汗を流したいのだ、と。
人のために汗を流すと、さまざまなプレゼントが思わぬところ
から贈られてきます。
どんなプレゼントか、それは本書をお読みいただければおわかり
いただけでしょう。


◆本日のオススメ!


美点凝視の経営 障がい者雇用の明日を拓く
美点凝視の経営  障がい者雇用の明日を拓く渡邉 幸義

致知出版社 2012-09-07



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◆アマゾンの内容紹介から ↓

IT企業で障がい者の雇用に力を注いでいる著者の会社では、
2,000名余りの従業員のうち障害者手帳を持っている人が約70名、
さらに障害者手帳は持ってはいないがメンタル不全(心の病気)の
人やニート、引きこもり、DV被害者、HIV保有者、フリータなどの
雇用を合計すると800名以上の、いわゆる就労困難者の人たちが
働いています。

そして、多くの就労困難者を雇用しながらも誰一人リストラする
ことなく、業績を伸ばしています。

本書では、
障がい者と健常者の違いを、右利きと左利きの違いのようなもの
だと述べられています。つまり、単なる個性の違い、ということ
なのだと表現されています。

困難を抱えながら、どうやって生きていこうか途方に暮れていらっ
しゃる障がい者の方々、そしてその親御さんに、1人でも多く読んで
いただき希望を抱いていただけるよう願いが込められている一書です。

また、今はまったく他人事でも、いつかは関わり合うことになる
だろう人々のためにも、 さらに企業にとっても、著者の会社の
チャレンジが必ず参考になることでしょう。



◆目次メモ


第1章 障がいは“個性”
 できないことに目を向けるのではなく、できることを伸ばすことが大切です
 まず、理解し、それを解決することで個性になります
 真っ暗闇の中では視覚障害者が健常者でした ほか

第2章 障がい者雇用の現実
 当グループでは実に個性豊かな人たちが働いています
 怠け病だと言う人もいる新型うつ病ですが、やはり多くはメンタル不全です
 世の中には右利きも左利きもいていいと思います ほか

第3章 障がい者雇用実現のために
 創業当初、偶然雇用した引きこもりの青年がいました
 障がい者雇用第一号からハーモニー立ち上げまで
 まず誰にでも任せられる仕事を切り出すことからスタートしました ほか

第4章 障がい者雇用は会社と親の二人三脚
 親は自立させたいと言いながら、厳しいしつけをするといじめないでほしいと言いました
 親と徹底的に話し合うことはとても大切です
 会社と障がい者の親が同じビジョン、同じ価値観を持って進む ほか

第5章 障がい者たちからもらったプレゼント
 社員同士が自然に助け合う社風ができました
 面倒だと思うか、大事だと思うかで結果はまったく違います
 会社の利益率が大幅に上がりました ほか

第6章 雇用を創ることこそ私の使命
 2006年に五大採用を宣言しました。今では二十大雇用まで広がりました
 切らずにいると、結果的に会社は強く結ばれます
 リストラから生まれる悲劇は実にたくさんあります ほか

第7章 新しい働き方を創っていく
 ドラッカーの逆をいくビジネスモデルで雇用を創り出す
 生活保護受給者と障がい者がともに働ける一石二鳥の方法
 子供のうちから教育すれば、エジソンのような才能も生まれるかもしれません ほか

第8章 私の夢
 「ゆりかごから墓場まで」の障がい者雇用
 障がい者の処方箋を作りたい
 なにもない人生が一番、本当にそうでしょうか ほか

◆著者の履歴 渡邉幸義(わたなべ・ゆきよし)


昭和38年静岡県生まれ。
昭和61年武蔵工業大学機械工学科(現東京都市大学)を卒業。
同年、日本ディジタルイクイップメント株式会社(現日本ヒューレッド・パッカード)入社。
平成8年株式会社エヌ・アンド・アイ・システムズ代表取締役副社長就任。
平成12年株式会社アイエスエフネット代表取締役就任。
全国に35拠点、海外にも6カ国展開をしており、雇用の創造を会社の大義に掲げ、
経歴に関わらず、意欲のある人間を採用することを実践している。
ニート/フリーター・障がい者、育児や介護従業者・引きこもり・シニア
その他就労困難な方々という、不況下の日本において難しいとされている
層の雇用にも積極的に取り組みながら利益を出し続けている。
主な著書に『「未来ノート」で道は開ける! 』(マガジンハウス)、
『社員みんながやさしくなった』『社長のメモ』(以上、かんき出版)
『会社は家族、社長は親』(PHP研究所)『雇用創造革命』
(ダイヤモンド社)などがある。

◆著者の『公式ブログ』はコチラ


>> アイエスエフネット社長ブログ-渡邉幸義の日々


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posted by かっちゃん2.0@名古屋 at 12:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 経営・経済・会計・人事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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