2013年01月27日

【書評】知るほどに不思議な世界!『脳には妙なクセがある』 池谷裕二

◆本日のオススメ!



◆最新の脳科学の知見を紹介!


本書は、東京大学で脳研究、特に記憶のメカニズム解明に取り組んでいる、
池谷裕二さんの最新作です。

最近の5、6年の間に雑誌やネット上で書きためたエッセーを元に、
脳科学の最新情報の紹介と、それをどう解釈するかについて、
小ネタ集として、分かりやすくまとめられています。

小ネタと言いながら、26個ものアイテムを揃え、どれも興味深い内容
であり、どこから読んでも面白く、「へぇー、そうなんだ!」と新しい
知識を仕入れることができます。

参考文献の総数は206件。これだけの知識を350頁に集約。お得です!


知れば、知るほど、そこに広がる不思議な脳の世界!
その不思議さに思わず驚嘆!脳にはこんなクセがある!

著者のオススメは、第11章、22章、26章です。

◆第11章 笑顔を作る 「まず形から」で幸福になれる!?

「人は楽しいから笑う」のではなく「笑顔を作るから楽しい」
という逆の因果があるようです。

どういうことかというと、「笑顔に似た表情」を作って作業を
行うと、ドーパミン系の神経活動が変化して、楽しい気分になる
という事例です。

「ドーパミン」は、脳の報酬系、つまり「快楽」に関係した神経
伝達物質です。よって、楽しいから笑顔を作るというより、笑顔
を作ると楽しくなるという「脳のクセ」があるのです。

具体的な事例としては、割り箸を横にして口にくわえ、マンガを
読むと面白いという点数をつけると割合が高くなるというもの。

箸を横にくわえると、表情筋の使い方が笑顔と似た形になります。
本当は笑っていなくても、強制的に笑顔に似た表情にするだけで
脳が楽しいという反応を示す、ということです。

逆に、縦にくわえると、沈鬱な表情に似た顔つきになり、マンガ
の点数も下がる傾向があるようです。

まずは「形から入る」。姿勢を正せば自信が持てる!
脳のクセを積極的に利用しましょう!

◆第22章 不自由が心地よい ヒトは自分のことを自分で決して知りえない

ヒトは自分が自由に判断して決めていると思い込んでいます。
ところが80%以上は、おきまりの習慣に従って行動しているのです。
本人ににも自覚できないような「行動のクセ」があるようです。

実は、ヒトが何かを判断する場合、最初に無意識の中で判定が下され、
次にそれを選んだ理由や感情が用意され、最後に行動へ移すという順
で発生するそうです。

さらに、脳を観察すると、驚くことに当人が意識する7秒も前に、
補足運動野という脳部位が活動を始めていることがわかりました。

自分で決めたと思っていることが、実は自分が意識する前に無意識
の中ではすでに賛否が決定しているということ。不思議ですね。

「人は自分自身に無自覚であるという事実に無自覚である」
(ヴァージニア大学・ウィルソン博士)

◆第26章 使い回す やり始めるとやる気が出る

日常付使う言葉に、隠喩表現(いんゆひょうげん)があります。
例えば、「心が痛い」「胸が痛む」などの表現です。
これは人類共通の症状のようで、多くの言語に共通して存在します。

実はこの言葉の通り、脳は体が感じる時に使っている同じ神経回路を、
感情でも使い回していることが判明しました。

例えば、疎外感を感じる心の痛みを感じる時、痛みを感じる脳部位が
反応しているのです。

この既にある脳のシステムをリサイクル(使い回す)して使っている
という事実。他にも見られるようです。

例えば、暗算。この場合、眼球を左右に動かす運動をつかさどる脳部位
が使用されてることがわかりました。

計算を行う時、左右に伸びる数直線をイメージし、足し算の場合には、
線上を右にシフトする仮想的な視点移動を行っていると推測されています。

このように、脳を調べると、行動と心理作用に一見関係のない脳回路が
供用されているという例に出くわすそうです。
苦みと嫌悪、痛覚と心痛、眼球運動と暗算、などなど。

なんとも不思議な「脳のクセ」の実態!
他にも、たくさんの面白く興味深い事例が紹介されています。

◎「行きつけの店」にしか通わない理由
◎何事も始めたら「半分」は終わったもの?
◎脳はなぜか「数値」が苦手
◎「笑顔をつくる」と楽しくなる!?
◎「心の痛み」も「体の痛み」も感じるのは同じ部位
◎歳をとると、より幸せを感じるようになる理由
◎「今日はツイテる!?」は思い込みではなかった!
◎脳は「自分をできるヤツ」だと思い込んでいる


◆アマゾンの内容紹介から ↓

あまりにも人間的な脳の本性!
最新の知見をたっぷり解説!

◎恋に必須の「シュードネグレクト効果」
◎「オーラ」「ムード」「カリスマ」…見えざる力に弱い理由
◎「他人の不幸」はなぜ蜜の味?
◎「損する」でも「宝くじ」を買う理由
◎就寝前が「記憶」のゴールデンアワー

不可思議さに思わず驚嘆!
脳にはこんなクセがある!

脳科学の視点から「よりよく生きるとは何か」を考える一冊!



◆目次メモ


脳は妙に
1.IQに左右される‐脳が大きい人は頭がいい!?
2.自分が好き‐他人の不幸は蜜の味
3.信用する‐脳はどのように「信頼度」を判定するのか?
4.運まかせ‐「今日はツイテる!」は思い込みではなかった!
5.知ったかぶる‐「○○しておけばよかった」という「後知恵バイアス」とは?
6.ブランドにこだわる‐オーラ、ムード、カリスマ…見えざる力に動いてしまう理由
7.自己満足する‐「行きつけの店」しか通わない理由
8.恋し愛する‐「愛の力」で脳の反応もモチベーションも上がる!?
9.ゲームにはまる‐ヒトはとりわけ「映像的説明」に弱い生き物である
10.人目を気にする‐なぜか自己犠牲的な行動を取るようにプログラムされている
11.笑顔を作る‐「まずは形から」で幸福になれる
12.フェロモンに惹かれる‐汗で「不安」も「性的メッセージ」も伝わる
13.勉強法にこだわる‐「入力」よりも「出力」を重視
14.赤色に魅了される‐相手をひるませ、優位に立つセコい色
15.聞き分けがよい‐音楽と空間能力の意外な関係
16.幸せになる‐歳をとると、より幸せを感じるようになる
17.酒が好き‐「嗜好癖」は本人があずかり知らぬところせ形成されている
18.食にこだわる‐脳によい食べ物は何か
19.議論が好き‐「気合い」や「根性」は古くさい大和魂
20.おしゃべり‐メタファー(喩え表現)が会話の主導権を変える
21.直感する‐脳はなぜか「数値」を直感するのが苦手
22.不自由は心地よい‐ヒトは自分のことは自分で決して知りえない
23.眠たがる‐「睡眠の成績」も肝心
24.オカルトする‐幽体離脱と「俯瞰力」の摩訶不思議な関係
25.瞑想する‐「夢が叶った」のはどうしてか
26.使い回す‐やり始めるとやる気が出る


◆著者の履歴 池谷裕二[イケガヤユウジ]


1970年静岡県藤枝市生まれ。薬学博士。東京大学大学院薬学系研究科准教授。記憶のメカニズム解明の一端として「脳の可塑性の探求」を研究テーマとし、2012年には、これまで未解明だった脳内の神経細胞同士の結合部(シナプス)形成の仕組みを突き止め、米科学誌「サイエンス」に発表。2006年日本薬理学会学術奨励賞、日本神経科学学会奨励賞受賞。2008年日本薬学会奨励賞、文部科学大臣表彰。

◆著者の『公式ブログ』はコチラ


>> 池谷裕二のホームページ


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◆合わせて読みたい本はコチラ



『記憶力を強くする』で鮮烈デビューした著者が大脳生理学の最先端の知識を駆使して、記憶のメカニズムから、意識の問題まで中高生を相手に縦横無尽に語り尽くす。「私自身が高校生の頃にこんな講義を受けていたら、きっと人生が変わっていたのではないか?」と、著者自らが語る珠玉の名講義。


あなたの脳はバグだらけ!?驚くべき高機能の裏にある、あきれるほどの欠陥と限界。

では、また。



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posted by かっちゃん2.0@名古屋 at 18:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 脳科学・脳トレ・脳本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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