川勝知事の「デタラメ」が流域首長たちの「反乱」ではっきりした!…
リニア議論を複雑怪奇にしたい静岡県の「不可解な態度」
(マネー現代)
誰が選んだ?
静岡県の川勝知事の「デタラメ」が流域首長たちの「反乱」ではっきりした!…
リニア議論を複雑怪奇にしたい静岡県の「不可解な態度」
中国とつながりがあり、中国の手先として、日本の衰退を狙った活動との噂あり
(河野氏の変な政治活動を同じ)
意見交換会の内容を正確に伝えていない
静岡県が故意に、リニア議論を複雑怪奇にしてしまい、一般の人たちだけでなく、取材する記者たちにも理解できなくさせているようだ。
その結果、新聞記事が正確な事実を伝えず、大きな混乱を招いている。
3月4日開かれた2月静岡県議会一般質問で、大井川流域の牧之原市・吉田町選出の大石健司県議(自民党)が『新聞報道によると』と断った上で、2月25日開催の「南アルプスのリニアトンネル工事による水資源保全の問題を巡る大井川流域の焼津、藤枝、島田、牧之原、御前崎、菊川、掛川の8市と吉田、川根本の2町の首長とJR東海との意見交換会」の結果について、川勝平太知事の政治姿勢をただした。
意見交換会は非公開であり、翌日の26日付静岡新聞が、意見交換会後のJR東海と首長たちの囲み取材を基に、その内容を伝えた。
静岡新聞の見出しは、『ボーリング着手「早期に」 発電施設工事中「返水必要なし」 県内流域首長 JRに提示』である。
記事前文は「流域側は首長の総意として、大井川上流部にある田代ダム関連施設の大規模改修中は取水をしないので、この間に県内で高速長尺先進ボーリングを実施すれば、ボーリングに伴い県外流出した湧水を大井川に返還する方策の必要はないとの考えをJR側に伝えた」となっている。
見出しは、それぞれ間違っていないが、記事は意見交換会の内容を正確に伝えていないため、大石県議ら読者に決定的な誤解を与えてしまった。
先進坑掘削の実施を求める流域首長たち
25日の意見交換会のあと、染谷絹代・島田市長が『流域の総意』として、現在、山梨県内で進めている「高速長尺先進ボーリング」(調査ボーリング)について、「さらに静岡県境を超えて、特に破砕された脆弱な地層が分布する不確実性の高い地域で、早期に着実に調査ボーリングを実施してほしい」とJR東海に求めている。
これまで、川勝平太知事は記者会見で、山梨県側から静岡県境を超えての調査ボーリングをJR東海に認めていない、などと発言してきた。
だから、流域首長たちが「県内工区のボーリング調査の早期着手を求めた」(静岡新聞)のは間違いない。
しかし、現在進行形の田代ダム関連の発電施設の改修工事は来年11月まで行う予定だから、その期間中に県境付近の断層帯の調査ボーリングを実施した上で、約10ヵ月間とされる先進坑の掘削まで行うことを流域首長たちはJR東海に求めたのである。
それなのに、静岡新聞記事は、調査ボーリングだけを2年近くの発電所改修工事中に行うような印象を与えてしまっている。
調査ボーリングはそんなに長い時間を必要としない、また県外流出する湧水量は先進坑掘削に比べたら、ほんのごくわずかでしかない。
東京電力RPに大井川の水を取水しないで、そのまま放流してもらう田代ダム取水抑制は、約10ヵ月間の県境付近の断層帯の先進坑掘削で使われる。
来年11月までに先進坑掘削を行えば、田代ダム取水抑制を実施することが不要になる。
だから、発電所改修工事期間中に、調査ボーリングだけでなく、先進坑掘削の実施を流域首長たちは求めているのだ。
議論を混乱させる川勝知事
どうして、このような誤解を与える混乱を生み出すことになったのか?
静岡県はことし2月5日、リニア議論に関して、2019年9月30日にJR東海に送った「対話を要する事項」47項目のうち、17項目は「終了」、すなわち解決している、30項目は「未了」、まだ解決していないとする「成績表」を発表した。
この「成績表」をよく見ていくと、「対話を要する事項」のうち、水資源編26項目のうち、17項目は「終了」、9項目は「未了」となっている。
4年以上も前の「対話を要する事項」をわざわざ持ち出しても、これまでの議論の内容が何だったのかわからないから、誰も理解できるはずもない。
事務方トップの森貴志副知事を筆頭に職員もすべて変わっているのだ。
何よりも田代ダム取水抑制案が登場したのは、2022年4月のことである。
それなのに、森副知事は、2月5日の47項目「成績表」発表で、「山梨県側からの先進坑が県境を越え、静岡県側の先進坑につながるまでの10カ月間、田代ダムの取水抑制を行えば、大井川の水資源保全は解決する」と述べている。
田代ダム取水抑制案を水資源編に記載した上での発表である。
47項目とは全く無関係の「田代ダム取水抑制案」を持ち出した時点で、「終了」や「未了」とした今回の「成績表」が何の意味もないことがわかる。
もともと47項目など一般の人たちには何が何だかわからないから、リニア問題をさらに複雑化させて、混乱を招くのが目的としか言いようがない。
その上、川勝知事は記者会見で、「山梨、静岡県境から断層帯へ向けての調査ボーリングを認めない」と何度も繰り返して、混乱に拍車を掛けている。
調査ボーリングは解決済みのはず
おわかりのように、2月5日の発表資料には、静岡県境を越えて静岡県側の先進坑につながる調査ボーリングは、JR東海との対話を要する事項に入っていない。
「静岡県境を越える調査ボーリング」は水資源編に何らの記載もないのだ。
47項目「成績表」に記載されていない案件は何の問題になっていないとみなすのがふつうである。
47項目「成績表」を見れば、森副知事ら県リニア対策本部は、流域首長たちが求めた「県内工区のボーリング調査の早期着手」を認めていることになる。
もともと、県地質構造・水資源専門部会で、丸井敦尚委員(地下水学)は「調査ボーリングには、もちろん水を抜く機能もあるが、地質を調べたり、断層がどこから始まるのか、あるいは工学的に崩れやすいので掘ってはいけない、地下水としてはどんな水質、水温でどのくらいの量があるかなどの機能がある」とJR東海と同じ説明をして、「調査ボーリングはやるべし」の立場を取っている。
大石哲委員(水工学)も「JR東海の言う通り、調査ボーリングは大量湧水に至ることはなく、コントロールできる」と判断している。
となれば、なぜ、川勝知事が、県境を越えた調査ボーリングを問題にするのか疑問を抱くだろう。
そもそも川勝知事が執ように求めた「全量戻し」とは、約10カ月間の県境付近の先進坑掘削で、山梨県へ流出する最大500万トンの湧水に対してである。
このため、JR東海は2022年4月、東電RPの内諾を得た上で、田代ダム取水抑制案を提案した。
県外流出する湧水最大500万トン、つまり、毎秒0・1〜0・2トン程度を田代ダムの取水抑制をして、そのまま大井川に放流するのが、川勝知事の求める「全量戻し」の解決策である。
東電RPは田代ダム取水で毎秒4・99トンの水利権を許可されているから、毎秒0・1〜0・2トンはわずかな量であり、JR東海の苦境に東電RPは全面的に協力することになった。
川勝知事は昨年11月になって、流域首長たちの強い要請もあって、田代ダム取水抑制案をようやく認めた。
先進坑掘削の前提となる調査ボーリングの場合、水抜きと言っても、先進坑掘削と比較すれば、極めて微量である。
先進坑掘削が毎秒0・1トン程度であり、調査ボーリングはさらに二ケタ以上も少ない、毎秒0・001トン程度でしかない。
47項目を議論した国の有識者会議で先進坑掘削の前提となる調査ボーリングの湧水流出など何の問題にしなかった。県専門部会でも問題にしていないのだから、当たり前である。
川勝知事はさまざまな場所で、「有識者会議で47項目の論点を解決するのがゴールポストである」と繰り返してきた。
川勝知事のゴールポストである47項目の論点に、県境を越えた調査ボーリングは含まれていない。
となれば、県境を越えた調査ボーリングは「解決済み」となる。
だから、混乱を与えることだけが川勝知事の目的だとわかる。
「反乱」で明らかになる川勝のデタラメな姿勢
ほとんどの人たちはリニア問題が複雑になり過ぎていて、理解不能に陥っている。筆者は、県の発表資料のみで「事実」を伝えているに過ぎない。
4日の一般質問で大石県議は、「(「流域の総意」であるとの)新聞報道だが、10市町の1つ1つを確かめる必要がある」との川勝発言に対して、「大井川流域市町に確認した結果はどうであったのか」とただした。
これに対して、川勝知事は「事務レベルで確認したところ、9市町から回答があった」と答弁した。
当日出席した流域関係者によると、複数の首長から「調査ボーリングをやるべし」の意見が出たため、染谷市長が「流域の総意」とすることを提案、反論異論はなく、まとまったという。
さらに、意見交換会後の囲み取材で、10市町長の居並ぶ中で、染谷市長はその結論を披露したが、誰も何らかの意見を加えなかった。
事務方はちゃんとそこのところを確認したのかどうか。
つまり、「流域の総意」に何らかの疑問を差しはさむこと自体がおかしいのだ。
大石県議は、染谷市長の「流域の総意」発言に何らかの齟齬(そご)があるなどと思ってもいない。
質問の真意は、流域首長たちを疑うような川勝知事の言動はいかがなものか、県知事への信頼性を失うのではないかと釘を刺しただけである。
つまり、流域市町長を疑う川勝知事の政治姿勢をただしたのである。
それなのに、川勝知事は4日の答弁で「意見交換会では、山梨県側への流出量や大井川での増水量の確認の具体的な方法等については、説明や議論はなかったと聞いている。
山梨県側への流出量が、田代ダム取水抑制を上回った場合、補償をどうするのか、さらにまた、その場合の責任の所在はどこにあるのかといった極めて重要な疑問もなかった」などと、意見交換会へ勝手な言い掛かりをまくしたてた。
これでは大井川流域の首長たちは、川勝知事への不信感をさらに募らせただけである。
結局、流域首長たちの「反乱」で、川勝知事のデタラメがはっきりとした。
現代ビジネス3月6日公開の記事で、2020年6月と9月に開かれた、知事と流域首長によるリニア問題の意見交換会に触れ、全面公開の場で、川勝知事は首長たちとの意見交換を行うべきだと伝えた。
やはり、もうそれしか方策はないだろう。
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【つづきを読む】
川勝知事の「とんでもない論法」…30年前の「セクハラ事件」の事実を隠してしまう最悪の所業
https://gendai.media/articles/-/122844
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静岡県・川勝知事が突然の辞意表明
静岡県の川勝平太知事は4月2日午後6時頃、「不適切発言」を巡る記者たちの囲み取材の中で、突然、辞意を表明した。
静岡県議会議長宛に正式に辞職届を提出後、6月19日開会の県議会に出席した上で辞職する手続きを取るようだ。詳しい説明は一切、しなかった。
何よりも、川勝知事の意向に従って、議論が行われてきたリニア静岡問題については全く触れておらず、今月中に開催される予定の県地質構造・水資源専門部会、県生物多様性専門部会など全く不透明な状況に置かれている。
最近のリニア静岡問題の動向を振り返る。
3月29日、国のリニア静岡工区モニタリング会議が開かれ、冒頭、丹羽俊介JR東海社長は「静岡工区の遅れは、名古屋までの開業時期の遅れに直結する。2027年に実現できる状況にない」と、2027年リニア開業の断念を明らかにしたばかりだった。
当然、2027年開業が絶望的なことは、いまから4年前にわかっていた。
2020年6月、金子慎JR東海社長(当時)が静岡県庁を訪れ、「いまリニア準備工事に着手しなければ、開業に間に合わない」と準備工事の了解を得ようとしたが、その申し出を川勝知事が却下したからである。
昨年12月には、静岡工区の遅れを理由に、JR東海は「2027年開業」を「2027年以降開業」に変更、国の承認を得ていた。
今回、公式の場で初めて、2027年にリニア開業ができないことをJR東海社長が明言した。
その発言の重みと影響力の大きさに、すべてのメディアが一斉に大きく報道、川勝知事の責任を問う声が高まった。
これに対して、リニア工事を遅らせている当事者の川勝知事は「静岡工区以外の工区は、2027年まえに完了できるということなので、その状況をしっかりと確認した上で、どのような活用をしていくべきかをリニア中央新幹線建設促進期成同盟会において考えていきたい」などのトンデモないコメントを出した。
2027年開業断念に対して、事業者のJR東海が完全に否定している品川―甲府間、岐阜―名古屋間の『部分開業』を、あらためて、リニア沿線の都府県知事らに働き掛けると宣言した。
3月7日の静岡県議会建設委員会で、事務方が「部分開業の必要性について他の都府県の考えを確認し意見交換していく」などと説明した。
6月に開催されるリニア建設促進期成同盟会総会で、静岡県の公式見解としてリニア問題解決策『部分開業』をテーマにしたいというのだ。
モニタリング会議が味方につかなかった
今回のコメントでは、静岡工区の着工を認める意思はさらさらないことだけははっきりとした。
静岡県民が恥をかこうが、川勝知事にとっては反リニアに徹することが何よりも重要だったが、今回の辞意表明で大きく変わるはずである。
29日開催のモニタリング会議で、同会議が川勝知事へ強いプレッシャーを与える役割を果たしたことも、川勝知事には思わぬ誤算だっただろう。
衝撃的だったのは、矢野宏典氏が座長を務めるモニタリング会議が、川勝知事の期待を完全に裏切ったことである。
矢野氏は、川勝知事と古くから親交があり、静岡県の土地開発公社、道路公社、住宅供給公社理事長を務め、それに関わる管理総務事務を行う一般社団法人ふじのくに支援づくりセンター理事長を長い間、務めている。
川勝知事とは特別に深い関係にあるのは事実だ。
だから、モニタリング会議は、静岡県の強い味方になると思い込んでいたようだ。
川勝知事は3月26日の会見で、「(モニタリング会議で矢野座長が)モニタリングと事業計画とはメダルの両面だ。不可分であると言われた。だから、今度のモニタリング会議でそれがどのように明らかになるのか関心を持っている」と発言している。
これに対して、中日新聞記者が「(2月29日開催の)最初の会議で、矢野座長がモニタリングと事業計画は一体であり、事業計画の重要性を指摘していた。知事としては、事業計画が静岡県内にとどまるものなのか、それとも、もっと全体に広がるものなのか、どういったものを期待されるのか」とただした。
川勝知事は
「矢野座長とJR東海のやりとりを待ちたい。(事業計画は)行政区にとらわれることなく柔軟に対応すべきであると(矢野座長は)言われた。そのようなやりとりになるのかとわたしは思っている。
基本的に今回のモニタリング委員会は言ってみればお目付け役、政府の、国交省の代理として、事業計画を見ながらモニターしていく。したがって、このお目付け役の役割は極めて大きい。
わたしとしては矢野座長にこの件について全部お任せしてもいいと思っている。そのくらい信頼している」
などと述べた。
川勝知事は、モニタリング会議の役割は、静岡工区だけでなく、リニア沿線全体に及ぶ方向に矢野氏が導いてくれると信じ切っていた。それもあって、モニタリング会議は矢野氏にすべてを任せるほどの信頼関係にあると明言したのだ。
昨年12月の県議会で、リニア問題の静岡工区の解決策を問われた川勝知事は苦し紛れに『部分開業』を持ち出した。部分開業は静岡工区とは全く関係はなく、リニア沿線全体の話である。モニタリング会議が川勝知事の唱える『部分開業』に加勢してくれると期待したのだろう。
ところが、実際には、3月29日開かれたモニタリング会議は、川勝知事の期待を裏切り、矢野氏は川勝知事の味方に回らなかった。
同会議の議論する事業計画のモニターは静岡県内にとどまり、沿線全体をモニターするわけではないことが明らかになった。
いったい、どのような会議だったのか。後編『不適切発言はきっかけに過ぎない…川勝知事が辞意表明した裏で起きていた、モニタリング会議座長からの「衝撃の裏切り」』で振り返る。
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